「人は一人では生きていけない」
昔から言われている当たり前の言葉であるが、改めて考えると実に意味深い言葉である。
人は生きるだけではない。「他の人からいろいろな影響を受けて生きる」という事を考えると、いい人との出逢いがその人の人生を変えるということでもある。
親・兄弟姉妹をはじめ、学校の恩師、友人、知人、仕事関係の先輩・後輩等々数えられない程の人との出逢いがある。その中で人は成長していくのである。
出逢い、そして人との縁を大切にしている人は着実に成長し、魅力を増していく。
人間学を学ぶ月刊誌「致知」10月号の特集対談で、侍ジャパントップチームの前監督・栗山英樹氏と臨済宗円覚寺派管長横田南嶺氏は次のように対話している。
横田:きょう対談してつくづく思いましたのは、栗山監督が実に謙虚で素直でいらっしゃる
ということです。謙虚・素直こそ縁を生かし、出逢いを真の出逢いにする要訣なのでしょ
うね。
栗山:謙虚にならなきゃいけない、素直にならなきゃいけないという気負もなく、自然にそ
ういう姿勢で人と接することができた。それしかできなかったんですけど、今振り返って
みるとそれがプラスになったのかなと感じます。
栗山監督に関しては、今更いうまでもないと思うが、日本を感動の渦に巻き込んだWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本を優勝に導いた名監督であり、人の心をつ
かむ名人だといわれている。
人との縁を大切にし、自分自身を大きく成長させ、さらに周りの人を成長させる、まさに魅力的な人間性と言えよう。
一期一会という言葉もあるが、人が人と出逢って何を感じ、自分の生き方にどのように取り込んでいくのか。毎日のことであるので、流されてしまうことも多いが、「この人は」という人に出会えることの幸運さは何事にも代え難いものといえる。
国民教育の師父と言われる「森信三」先生は次のように言っている。
「人は一生にうちに出逢うべき人には必ずあえる。しかも一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。縁は求めざるには生ぜず、内に求める心なくんば、たとえその人の目前にありともついに縁は生ずるに至らずとしるべし」
要は自分の心がけ次第で自分に必要な人と出逢い、自分の人生を豊かにするのであろう。
「謙虚に、素直に」はその基盤であり、人間的魅力を磨く鏡となるであろう。
心して、謙虚な心で、素直にいきたいものである。
株式会社CSDコンサルタンツ
代表取締役 西里 喜明
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