企業社会においては「企業は人なり」という言葉があるように、昔から「人」を大切な経営資源として捉えられてきた。
経営理念で、人材育成、良好な職場環境づくり等々、人を大切にする経営を謳っている企業も数多く存在する。
私は「人材こそ最重要経営資源である」と確信しており、人を大切にする企業は社員から信頼され、社会からも高い評価を受けると考えている。
それはなぜか。
企業経営において経営戦略遂行上、また経営目標達成のためには技術革新や機械・設備の効果的活用、商品開発、組織活性化、マネジメント能力の向上等、経営に関する全ての課題解決には人材が必須な要件となるからである。
適材適所で大切な人材を育成することによって、結果的に企業が成長するであろうことは容易に想定できる。
一方で、沖縄県においては30代~50代の働き盛りの人材の死亡率が全国ワーストワンというあまり有り難くない記録が十数年続いていることをご存じだろうか?
大切な人材の健康を個人任せにした結果、仕事にまじめな社員が自身の健康を損なうほど、会社に尽くす、私生活を犠牲にする、等々マイナス面が出てきている。企業として組織的に大切な社員の健康に配慮する、守っていく「健康経営」が今求められている。
(今月は経済産業省が定める「健康経営優良法人認定制度」の申請締切月である)
経営トップが「人を大切にする経営」を打ち出し、現場において「社員の命を守る」「社員の健康を第一」に考える経営に真摯に取り組む。このことは決して生産性を無視している訳ではなく、逆に生産性向上、組織活性化への寄与度が高いというデータもあり、経営力向上に貢献することを示している。
「心身共に健全」に仕事に取り組める職場環境、良好な人間関係構築は職場のコミュニケーションを良好にし、心理的安全性・充実をベースに「やる気を醸成」し、組織活性化を図り、生産性を高めることにつながる。
健康経営は今や全ての企業・組織にとって必要な取り組むべき施策といえる。
人を大切にする経営に取り組むということは、その社員の人生を豊かにするとともに、社員としての能力向上、組織貢献(欠勤率の低下)、社会貢献(医療費の低下)につながり、経営にとっても最も必要な事だ。
結果的に会社の成長、社会の成長につながることになるのである。
是非とも、健康経営を推進し、人を大切にする経営に取組み、企業、社会を成長に導いていただきたい。
株式会社CSDコンサルタンツ
代表取締役 西里 喜明
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