「人間学を学ぶ月刊誌『致知』5月号」に、和食の神様・道場六三郎(みちば ろくさぶろう)氏のインタビュー記事が掲載されている。
道場:~~~ 僕は何が一番辛(つら)いかと言ったら、お客様が嫌な思いをして帰ること。これは、もう身を切られるくらい辛い。
飲食店なんていっぱいあるじゃないですが。それなのにわざわざ選んで来ていただいたお客様の期待にやっぱり応えなきゃいけないし、喜んでもらえるとホッとする。お客様の喜ぶ顔を見ることが僕にとっての生きがい。~~~
(いまも料理が恋人 この道に終わりなし
――九十三歳、生涯現役を貫く和食の神様が語る より引用)
ここまで言い切れる93歳の達人、私達はここから学ぶべきことがたくさんある。
まず第一に謙虚さ。
第二に生涯を通じて道を極め続けようとする探究心。
第三に優しさ。
第四に思いやりとおもてなしの心。
第五に明確な生きがいをもつこと。
道を極めた達人が、93歳になってまだ精進し続ける強い意志を持ち、毎日お客様に喜んでもらえるよう心がける生き方をしている。
「稔ほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉が思い浮かぶ。
別の職業での偉人の生き様をみてみよう。
戦後日本の復興と重なる「プロ野球」の発展を支えた「ミスタープロ野球、ミスタージャイアンツ」こと長嶋茂雄氏。
彼が次のようなことを述べている。
「私達は毎日試合をやっている。勝つ時もあれば負ける時もある。負けている試合で、どう考えても逆転できそうにない場合、手を抜く選手がいる。しかし、お客様の中には一生に一度しか球場でプロ野球の試合を見ることができない人もいるだろう。それがこの試合だとしたら、私は手を抜くことはできない。だから、毎試合、全力を出し切る覚悟で臨んでいる」
まさにプロ根性ではないか。
道を極めた人は手抜きをしない。常に精進を続け、毎日毎日を真剣に生きている。
その生き方が人格を磨き、さらに輝きを増して、人を惹きつける。
私達も本物を知ることによって、その本物に少しでも近づく努力を続けたいものである。
株式会社CSDコンサルタンツ
代表取締役 西里 喜明
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