沖縄県経済の自立が叫ばれてから数十年が経つがなかなか出口が見えない状況が続いている。
現代社会における経済自立の主体は、企業であることは異論のないところだと思うが、その企業の成長と併せて経済自立、地域活性化を考えてみたい。
企業の成長発展形態は概ね次の段階を踏まえる。
1.生業的段階(個人事業の延長)
2.組織的形成段階(人材確保・育成による組織の拡大)
3.企業の組織的経営への移行、拡充段階
各段階で企業はそれぞれ社会的役割を担っている。
例えば
(1)自己の生活の維持
(2)就業の場(機会)の確保・提供
(3)生産・流通機能提供による地域社会・生活者の生活の維持・向上への寄与
(4)社員の能力向上と働き甲斐の機会提供
(5)豊かな社会形成、地域の成長・発展のための貢献・支援
等々。
そして企業の成長に応じて社員の成長が深まり社会への貢献も増大していく。
(現実には社員の成長が企業の成長を誘引していくが・・・)
例えば
①自分優先の段階
②家族・身内優先の段階
③自分の属する社会(会社等)優先の段階
④社会的意義を意識する段階
⑤生命体・地球全体を意識する段階(SDGsへの取組み)
等々。
勿論、複数の段階が絡み合って一人の人間(社員)の価値観を形成していくが、人間は仕事を通じて成長することができ、その事がさらなる働き甲斐・生き甲斐に結びついていく。自分自身のために働くことから始まり、他人に認められ、評価されることを望み、人の役に立つことによって自己肯定感、満足感が増す。そのような社員が増えることによって企業は成長していく。
一方、地方経済においては企業がその地域の経済の核であり、地域に立地し、地域の人材を確保し大事な経営資源として活用し、成長していくことになる。その結果、地域が活性化していく、という図式が描かれる。
このように考えてくると、起業家(創業者)が事業を起こし(起業)、二代目、三代目と継承していく中で、企業の成長段階に合せた正しい経営戦略を遂行し、地域活性化の担い手となる考え方・経営行動をとる企業が出現する地域は活性化の道を歩み、そうでない地域は停滞を余儀なくされてくる可能性が大きくなる。
是非、経営者はその地域を熟知し、社員の成長、企業の成長過程に応じた社会的責任を果たすべく明確な理念をもって地域を導いて欲しいと思う。
経営者の器以上に企業は成長しないし、その地域のリーダーの器以上に地域は成長しないとの言葉を胸に、自分自身を磨き、自社と地域を導いてもらいたいと切望する。
株式会社CSDコンサルタンツ
代表取締役 西里 喜明
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